GIANT KILLING(ジャイアントキリング)42巻の感想と見所についてまとめます。今巻から、ETUがリーグ優勝を成し遂げるためには絶対に負けられない東京ダービーがスタート。
前巻から引き続き見所満載の一冊ですが、中でも必見なのは、度重なる負傷を経て復活を遂げた天才・持田 蓮と日本代表エース花森のアンダー代表時代のエピソードです。
それでは早速紹介していきたいと思います。
(※上記画像は、GIANT KILLING 42巻より)
GIANT KILLING 42巻の概要
さて本巻ですが、
- 東京ダービー決起集会
- 持田と花森(回想)
- 東京ダービーの幕開け(ETU対東京V)
という3つの話で構成されています。
現在のリーグ順位は、ETUの方が上ではありますが、これまでの対戦成績(タツミが就任するまでは17連敗中だった)や選手層を考慮すると、ホームの地の利が活きたとしてもETU有利とは言い難い状況です。
加えて、前回は後半のみの出場にも関わらず絶大なインパクトを残した、あの持田が復活。代表での活躍を提げて東京ダービーに挑んでくることを考慮すると旗色は一層芳しくないものに映ります。
そんな危機的な状況には、タツミの言葉がぴったりですね。
「どれだけ勝ちを重ねても、それを落とせば水の泡という一大決戦。本気でタイトルを獲りたいなら、避けては通れない道だってことだ」
まさに大一番。タイトルを手にするチームとなれるかどうかの分かれ目がやってきました。
42巻の見所は?
42巻の見所は、何と言っても「持田と花森」でしょう。
花森が復活した持田についてインタビューを受ける、というもので、アンダー代表時代のふたりのやり取りを見ることができます。
お互いの存在を認めながらも己のプライドが素直に認めることを許さない。エースを冠する選手としての矜恃が垣間見える良エピソードだと思います。
詳しくは、見所その2をご参照ください。
見所その1:東京ダービー決起集会
タツミ就任まで17連敗中だった東京ダービー。前回の引き分けで連敗自体は止まりましたが、押せ押せムードの中で追いつかれ、引き分けとなってしまったのは痛かったですね。あと一歩勝ち切る力が足りませんでした。
今回の対戦では、ETUも優勝を狙える位置に付けているということで、例年の位置関係が逆転。優勝を果たすためには、絶対に負けられない戦いとなりました。
ETUの決起集会は毎年行われているようですが、コアなサポーターであるスカルズをもってしても不評であり、羽田はリーグ優勝へ盛り上がりを見せるホームタウンに水を差しかねないと懸念を強めます。
そんな中、開催された決起集会には、田沼やスカルズの面々も驚くほどの人が集まっており、町全体が再びETUに興味関心を向けはじめていることが描かれます。
不遇の時代を耐え、乗り越えた先にまっていたのは、輝かしい未来か。
かつての姿を取り戻すためにも、東京ダービーでの勝利が不可欠ですね。
見所その2:持田と花森
現日本代表エース花森の回想。アンダー代表時代の持田と花森のやり取りが描かれています。
若い頃の怪我がちではなかった持田には、どことなくタツミに通じるものを感じます。
ストレートな物言いとか、飄々とした雰囲気とかですかね。今よりもやんちゃに描かれていますが、実に魅力的です。
こういう姿を見ると、自分も、もし持田が怪我をしなかったら?という、存在しない未来に想いを馳せてしまいますね。
怪我を抱えながらも、選手生命と向き合って戦う持田に心からエールを送りたいな、と。
このエピソードを読んで感じたことは、誰よりも花森自身が、持田の存在を惜しんでいるのかもしれない、ということ。
花森のことが少し好きになりました。
怪我の要因と背番号のくだりは、胸に迫るものがあります。
見所その3:東京ダービーの幕開け(ETU対東京V)
ETUサポも過去最大の盛り上がりを見せる、東京ダービーの幕開けです。
この前のコマの羽田のスピーチがとても良かったですね。ETUに強い思い入れを持って、信じて、信じて、支え続けてきた男の熱い思いが伝わってきました。
その声に、熱に、呼応するように、サポーター達も精一杯の声で応えます。
このくだりだけでサッカーファンならボルテージが上がること間違いなし!
東京ダービーは、ETUが優勝を狙う上で、何が何でも負けられない大一番ですが、この試合に至っては色々な見方ができるかと思います。
- 優勝のための大一番
- 18戦ぶりの勝利なるかETU
- かつての姿と誇りを取り戻すための戦い(ETU)
- 椿vs持田
- 名将対決(タツミvs平泉)
- 東京の覇権争い
- 代表選手選考としての試合
切り口としては、まだまだ出せそうですが、ひとまずこんなところで。。
たかが一試合として片付けられない意味・意義がこの試合にあることがわかりますね。
今巻は、東京ダービーもはじまったばかりで導入部としての位置付けなので、試合がうごくのは次巻からでしょう。
決着までにはあともう一冊は使うのかなと。
大一番ということもあり、普段よりもコマ割りが細かく緻密な印象があります。試合展開がはっきりわかるのが好ましいです。タイムラインとか作ってみると面白いかもしれないですね。
攻防としては一進一退。ジャイキリファン、サッカーファンにはたまらない手に汗握る試合になりそうです。
そして、思わず本誌に手が伸びそう(笑)
まとめ
42巻は、東京ダービーの導入としての役割が強い巻でした。決起集会、持田と花森のエピソード、東京ダービーの幕開けとバランスも非常によかったですね。
次巻の43巻では、ガチガチの試合がメインになるかと思います。一進一退の攻防から抜け出して、先制点を奪うのはどちらのチームか。楽しみですね。
持田のこのコマで締めたいと思います。
では次回43巻の記事でお会いしましょう。