(※上記画像は、アオアシ 5巻より)
5巻の見所は?
5巻の見所と言えば、左サイドの3人の関係性の変化でしょうか。FWの葦人、MF黒田、DF朝利がまったく噛み合なかったところからどのように立て直していくのか。
噛み合ない原因が葦人にあると示唆された状態で、なぜ噛み合ないのか、噛み合うために必要なことは?と深く思考をめぐらす葦人。
これまで自らの感性の中でプレーしてきた葦人には、どうして朝利や黒田が自分に対して怒ったのか理解できません。逆にどうして自分のプレーをわかってくれないのかという思いを持ってしまいます。
この巻では、プレー意図を理解しあう必要性とその効用、理解しあうために必要なことがいくつか提示されます。
葦人の成長を描く上で、下地を整えてくれる、というのはもちろん、育成年代のサッカー少年たちを描く上でも、サッカーがチームスポーツである、という前提を見せてくれるのは、本当に素晴らしいことだと思います。
もうひとつの見所として、監督である福田とヘッドコーチ伊達のやり取りを挙げたいのですが、少年たちを預かる立場の大人もどのように彼らに関わっていくのか、考え方、そして振る舞い方にも要注目です。
主人公を中心としながらも、関係者や背景を丁寧に描けているのがアオアシという漫画の良いところのように思います。
見所その1:新たな課題「チームメイトの怒りの理由とは?」
(『アオアシ(5)』より)
上図は、公式戦ハーフタイムのロッカールームでのやり取りですが、葦人がチームにもたらしている「機能不全を解消しなければ試合には出られない」ということが明瞭になったシーンです。
コーチによって、突きつけられた課題は葦人だけでなく、所属するチームも、チームメイトも蝕んでいました。サッカーがチームスポーツである以上、ただ一人の問題では収まらないことがよく分かるシーンかと思います。
もしも葦人が圧倒的な技術で局面を打開できる選手であったなら、この話の焦点は、ぼやけたものになってしまうと思いますが、そうではない、というのが非常に効いています。
だからこそ、チームの中で活かされ、活かすためには、黒田・朝利が何を思い、どうして葦人のプレーに怒りを向けたのかを知る必要があるのです。
見所その2:急激に変化する葦人のプレー
(『アオアシ(5)』より)
ロッカールームでのやり取りを経ても、いまだ噛み合わない左サイド。誰もが、もう無理だ、と思い始めたとき、葦人に変化が訪れます。
自分のことを理解して欲しい、なぜ理解できないのかをいう思いを持っていた葦人が見つめたのは、仲間のプレーでした。
自分が相手に要求するほど、相手のプレーを自分は理解できていたのか?
ぼんやりとピントが合い始めた、葦人のプレーに、困惑の表情を浮かべる朝利。
葦人の急激な変化に困惑する朝利に、葦人は動きで、目で、訴えます。
「おまえはこう動いて欲しいんだろ?」
何度挑戦しても、まったく伝わらなかった意図が通い合い、葦人とチームメイトを阻んでいた霧が晴れていく名場面。
この後、まったく噛み合わなかった3人がどのようなプレーを魅せてくれるのか。
目の覚める連携とともに、葦人の覚醒にも乞うご期待ですよ!
アオアシの試し読みならマンガワン
更新:2017年3月16日
2017年3月12日で、マンガワンでのアオアシ配信が終了となりました。一度復活した経緯がありますので、再配信を楽しみに待っていたいと思います。現在マンガワンでは、アオアシを読むことが出来ませんので、ご注意ください。
試し読みは、スピリッツの方でも出来ますが、スマホアプリ「マンガワン」がおすすめです!マンガワンなら最新話まで無料で読めます!6巻の続きを読みたい方はぜひダウンロードしてお楽しみください。
まとめ
アオアシは5巻になり、キャラクターも出揃ってきたことで、話に動きが出てきた印象があります。育成年代のクラブユースというステージがそもそもユニークですし、外様である葦人がどのように下克上を決め、成長していくのか、という筋がとてもわかりやすいのが良いと思います。
2016年のサッカー漫画まとめにも挙げさせていただきましたが、要注目の作品です!未読の方はぜひ!!