今回は、つい先日発売となった、金田一蓮十郎さんの新刊(ライアーライアー、ゆうべはお楽しみでしたね、ラララの3作品)について触れていきたいと思います。
金田一蓮十郎という作家さんは、各話、巻末話の引きを上手につくってくれる方で、読者に続きを気にさせる力がすごいんですよね。
そういった技術的な背景に作品自体の面白さも相まって、心から新刊の発売を楽しみにできる作品が多いと感じています。
そんな心待ちにしている新刊が、3作品同時発売というのは、ファンにとってみれば、最高のプレゼントです。
そして、今年は金田一蓮十郎さんのデビュー20周年というメモリアルイヤー。なんか色々めでたいですね。本当におめでとうございます!
さてさて、前書きが長くなってしまいましたので、本編の方に入っていきたいと思います。
ライアー×ライアー
高槻湊(たかつき・みなと)22歳。友達の高校時代の制服で変身中、義理の弟・透に別人として惚れられてしまいつきあっていたが、真相を話そうとした矢先「姉を愛している」と告白され、結局カミングアウトできないまま別れてしまう。お互いに「好き」なのに、きょうだいだからこそすれ違ってばかりで…!? 話題沸騰! 二重恋愛コメディー!
amazon.co.jpより引用
金田一蓮十郎さんという作家は、物語を動かすための伏線の張り方も上手ですが、台詞の置き方、使い方も巧みな印象があります。
この8巻は、ついに透の心の中身を覗くことができます。チラリではなく、結構がっつりと。この巻の主題はこれです。
湊の行動や心の動きにモヤっとしたものを感じていた読者も、透の心の内が明らかになったことで、漠然とした閉塞感がすっと薄まったのではないでしょうか。少なくとも、僕は1巻を読んだときのような新鮮な気持ちになりました。
相手がどう思っているのか、という現実の世界では、決して覗く事が叶わない気持ちや想いそのものや、その背景にある事象をしっかり提示したことで、僕を含め読者のベクトルを定め直してくれたような気がしています。
あらためて単行本をはじめから読み返してみると、正直肩透かし感のあった7巻もいい塩梅でアクセントになっており、6巻と8巻のつなぎを考えると、しっかり腹落ちすることができました。このライアー×ライアーという作品の面白さを再確認できたかなと思います。
話がそれましたが、物語的には、いよいよ外堀りも埋まり、核心へと迫ってきた感じです。
これから、ひと波乱、ふた波乱あって、最後は大団円かな、と思いつつ、ページをめくっていた矢先、巻末話の最後でアレが見つかってしまうとは・・・。
毎回キーアイテムとして登場していた割に、ここで使うのか、というそぶりもなかったため、素直に、あっ!とさせられてしまいました。湊も迂闊だったな、と。どんなときも心の隙には気をつけよう、ということでしょうか(笑)
次巻もまた結構話が動きそうですが、このままラストまで行ってしまいそうな感じもしないでもないので引き続き目が離せませんね。まだ読んでいない方は、ぜひご一読ください!
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ゆうべはお楽しみでしたね
てっきり男同士だと信じていたゴローさん(ゲーム内では♂、現実では♀)とシェアハウスすることになったさつきたくみ(23歳♂・ゲーム内では♀)。一つ屋根の下で生活していく中、たくみの感情に淡ーーーい変化が? 一緒にごはんを食べて、「ドラゴンクエストX」で遊んで、初めてのおでかけをして……? 性別ちぐはぐシェアハウスラブコメ、第2巻!!
amazon.co.jpより引用
ゆるゆる読むならこの一冊。
主人公たくみとみやこ(ゴロー)の仲が、徐々に深まっていく姿を見ると、ほっこりします。たくみの方はみやこの方に意識が向いてきてますが、まだまだ、みやこの方はフラグはおろか、矢印もたくみの方に向いていませんね。まだまだドラクエ仲間といったところでしょうか。
このゆるいペースがこの漫画の良さだと思っておりますので、楽しみつつ、気長にふたりの関係を見守りたいと思います。
これが次巻でどうなるのかが楽しみですね。
1巻でもそうなりましたが、この2巻も読むと、やたらドラクエがやりたくなります。思わずPC版を購入しそうになりました。もしかしたら、購入する日も近いかもしれません(笑)
作品としての魅力はもちろん、ドラクエというゲームの魅力もきっちり描いてくれているので、プレイしたことのない、僕にもじわじわ伝わってくるんだろうと思います。
やはり、エッセンスの抽出とエピソードの結び付け方が上手なんでしょう。このあたりの手腕には思わず唸らされてしまいます。
僕は、単行本を楽しみにしているので、オンライン版は読んでいないのですが、もしも購入する前に試しに読んでみたい、という方がおりましたら、バックナンバーとして1話と2話、そして最新話が読めますので、下の公式サイトをご確認くださいませ。
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次巻の発売を楽しみに待ちたいと思います。
↓フルカラー版の1巻も発売されました!買うかまよってます。
ラララ
美人で外科医の高スペック嫁・石村亜衣と“元リーマン”専業主夫・桐島士朗の、入籍届から始まった奇妙な夫婦生活は、紆余曲折しながらお互いに“いい妻・いい夫”を目指して過ごそうと“夫婦”として歩み始める。しかし「元カノ妊娠問題」「ストーカー問題」そして「親戚問題」と修羅場の連続に2人は──!? 結婚から始まる奇想天外ストーリー第④巻!
amazon.co.jpより引用
最新刊は、石村さんと士朗の仲が徐々に深まってきているのが感じられるのはもちろん、相手のことを深く知り、迎合ではなく、尊重していくことが個々の成長にもつながるんだ、というやわらかいメッセージに、とあるキャラクターの視点を通して、はっとさせられる、まとまりの良い一冊です。
作者の主張というのも個人的に苦手ではありませんが、金田一さんの作品では、しっかりと登場人物に生命を吹き込んで、登場人物の主張として展開させてくれるので異物感なく、気持ち良く読めると思っています。
本巻では、物語が大きく動くということはありませんでしたが、ほっこりする話も多く、非常にあったかい気持ちにさせられたなという印象です。
最後の最後、一息ついたところで、次巻に向けての布石が打たれますが、それを見て、やっぱり金田一さんの作品は強弱のバランスがいいなと思いました。
次巻が今から、本当に楽しみでなりません。
まとめ
というわけで、金田一蓮十郎さんの新刊レビューでした。
評価というよりも、思っていることをつらつらとまとめたような感じです。
こちらの記事も興味があれば読んでみてくださいね。
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