「恋は雨上がりのように」5巻の感想と見所について紹介します。
女子高生あきらと店長。ふたりの恋の行方も気になるけれど、やはり5巻は加瀬さんの恋愛事情に注目したいですね。
(※アイキャッチ画像は、恋は雨上がりのように(5)より。)
↓1巻から4巻の感想と見所についてはこちらをどうぞ。
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5巻の感想
5巻は、あきらと店長の恋の行方という本筋に加え、バイト仲間達それぞれの恋模様も描かれています。
- あきらを好きな吉澤
- 吉澤を好きな西田
- 義理の姉に思慕をつのらせる加瀬
吉澤はあきらに、西田は吉澤に、それぞれ矢印が向いていますが、あきらは店長ひと筋なので、それぞれの矢印が向き合うことがない状況にあります。(吉澤くんもまた、1巻第1話からあきらにひと筋でしたね)
加瀬と義姉のエピソードが今回の巻の肝かと思いますので詳細は避けますが、本巻を読んでから2巻のあきらと加瀬とのデートを読み返すと、別の見方もできるな、と。
初見だと、何気ないシーンなので、恋愛経験豊富なイケメン大学生の言葉にしか聞こえませんが、その背景にあるものを知ってしまった後だと、なんとも示唆に富んだ言葉なのでしょうか。
恋愛の酸いも甘いも盛り込んでくれているのが何よりもこの作品の素晴らしいところだと思います。
5巻の見所
いくつかある見所の中で紹介したいのは、
- あきらと西田のやり取り
- 加瀬と義理のやり取り
- 加瀬とあきらのやり取り
この3組のやり取りでしょうか。やはり関わり合う人が変われば、そのやり取りの内容にも変化があるのは当然ですが、上手く登場人物同士を絡ませながら、本筋を進めるための鍵を読者に渡していくのは、作者の腕の成せる技でしょうか。
実にさりげない。
見所その1:あきらと西田のやり取り
西田は、吉澤の気持ちに気づいているので、さりげなくあきらに問いかけます。
(恋は雨上がりのように(5)より)
(恋は雨上がりのように(5)より)
その想いの強さを確認した西田は自分もがんばろうと決意をあらたにします。まっすぐな気持ちに触れると、やはりその強さに周囲も引っ張られていきますね。
あきらのまっすぐな想いがまぶしい。
見所その2:加瀬と義姉のやり取り
このくだりの切なさといったら。。
(恋は雨上がりのように(5)より)
(恋は雨上がりのように(5)より)
加瀬と義姉との関係性。そして加瀬の気持ちの揺れ方を的確に切り取って見せたページ。愛する人が自分以外の男のためにつくった食事をありがたがって食べる気にはなれなくて。
義姉に振り回されている、という見方もできるのでしょうけど、それは惚れた者の弱みというか、加瀬の葛藤がとにかく切ない。。
見所その3:加瀬とあきらのやりとり
(恋は雨上がりのように(5)より)
(恋は雨上がりのように(5)より)
このまかないをもらうシーンですが、2巻との対比で見ると実に興味深いものがありますね。あきらの変化に注目して読んでもらうといいかなと思います。
あのときは、まったく愛想のなさが目立ちました(当時、加瀬もあきらに愛想がないと言っています)が、加瀬が自分の背中を押してくれたことに戸惑いを感じつつも、あきらは「サンドイッチ・・・ありがとうございます!」と感謝の気持ちを口にしています。
加瀬の背中を見つめるあきらのラストカットが、我々読者の心情とリンクして、加瀬に対する切なさをかきたてます。
「光を見つけたって、誰しもが そこへ向かっていけるとは限らない・・・」
向かっていける人と向かっていけない人、明確に区別されているところがまた切ないですね。
まとめ
この記事を書く上で、本巻を何週かしているわけですが、読めば読むほど、頭が冷えてくる分、意味を見つけようとしすぎてしまいますね。これは、あまり良くないことだな、と思いながら読んでます。
初見で感じたことを大事にしながら、深さを足していくようなことができればベストなんでしょうね。このあたりのことはまた別の機会にでもまとめてみたいですね。
さて、最後ですが、これを言わずにはいられないわけで。
見所のところで、実にさりげない、と書いたのですが、それには続きがありまして、5巻151ページへのつなぎ方には、心臓をつかまれた思いでしたね。まさかそんな風にもってくるとは。この巻の全てがこのページのためにあったのか、と思うほどにやってくれましたね。
もうこれだけ言えればいいです。それだけインパクトが大きかった。。
心地よい夢から、急に目覚める、思いでしたね。この表現が適当かはわかりませんが、もう初見時にはそんな気分で、あきらの気持ちを追うと、心底居心地の悪さを感じてしまったのです。
こうなってくると、本誌が気になって仕方ないのですが、まずは1巻から読み返しながら、6巻を待ちたいと思います。もやもやとした気持ちを時間が忘れさせてくれるのを期待して。
↓1巻から4巻の感想と見所についてはこちらをどうぞ。
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