毎月心待ちにしている「さよなら私のクラマー」第3話の感想と見所について紹介します。
今回の第3話は、めちゃめちゃ熱くて、泣けるエピソード満載でした。「さよフト」ファンなら必読です。強くおすすめします。読めば震えること間違いなし。
(※上記画像は、月刊少年マガジンサイトより引用。)
もし、まだ第1話を読んでいないという方はこちらからどうぞ。あらすじや登場人物についてまとめています。
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第2話のあらすじや見所、感想についてはこちらからどうぞ。
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第3話のあらすじ
新コーチ能見によって組まれた練習試合の相手は、全国女子サッカー日本一のチーム久乃木学園高等学校だった。春・夏連覇の強豪相手に、周防のカウンターで応戦していた蕨青南だったが、周防がマッチアップしていた佃のロベカルばりのミドルシュートによって、早々に失点を許してしまう。(ここらへんまでが2話)
頼みの周防は、佃によって封じ込められてしまい、押し込まれる展開に。ゴール前にバスを止めなんとか耐え凌ごうとするが、スペースのなくなった密集地を久乃木の10番・井藤に鮮やかに攻略されてしまう。
前半で7失点という、気持ちの折れそうな試合展開の中、はじめて目の当たりにする女子サッカー界の強者に恩田の心が強くゆり動かされる。
「やられっぱなしっていうのは、性に合わない」とボールを要求する恩田。後半、点を取る、と行って、仕掛けていく中、恩田の脳裏には鮫島(中学時代の監督)とのやりとりが浮かんでいた。
・・・ざっくりまとめるとこんな感じのあらすじです。
それでは、いくつかのポイントに分けて、私が考える見所を紹介していきますね。
本作品の見所
見所その1:真価を発揮する久乃木学園の10番・井藤
U-15で主将をつとめた梶に天才と称される井藤。2話では佃に見せ場を譲りましたが、3話ではしっかりとその才能を見せつけてくれます。
若干、守備の軽さが目立ちますが、実際、佃のゴールをアシストしたのも井藤でしたし、赤鬼に「年甲斐もなく胸が躍る」と言わしめていることから、実力に疑いはないでしょうか。
この井藤の活躍が引き金となり、恩田の目にギラギラとした光が宿ります。
井藤を止め、一矢報いることができるのか、今後の展開が興味深いですね。
見所その2:能見と深津のやりとり
この3話では、まったくやる気を見せない深津監督から能見コーチへと、非常に興味深い問いかけがありました。
「女子サッカーに未来はあるのか?」
驚きの表情を浮かべ、答えに詰まる能見に、深津は女子サッカーを取り巻く現状や環境について続けて問いかけます。
まさか、ここでこんな大きなテーマを、持ち出してくるとは・・・。深津監督の見開きの効果もあり、私も能見同様に面食らってしまいましたよ。
この練習試合が、未来を見出すものとなるのか、どうかは選手たち次第ですが、展開的には、光り輝く才能が発見される流れになるのかな、と思います。
見所その3:恩田覚醒のとき。
好プレーを連発する、久乃木の選手たちを素直に賞賛する恩田。2話で見せた、靄がかかった表情と打って変わって、澄み切った顔を見せてくれました。(感無量ですよ)
「知らなかったな。フットボールは、こんなにも高くて広いなんて」
なんと恩田の進路に影響を与えたのは、さよならフットボール(さよフト)でおなじみの鮫島監督でした。鮫島監督が恩田にかける言葉のひとつひとつに愛情が感じられ、じんわり泣けて、胸が熱くなります。
ここは是非、本誌で読んで欲しいと思います。すごく良いシーンですので。
さよフトファン必見の名場面ですよ。
第3話の一番の見どころは、ここしかないでしょう。恩田と鮫島監督のやりとり一択です。ここに能見が答えられなかった、答えがあるのだと思います。
フォーメーション紹介
待ってました!やっぱりこれがないと始まらないですね。
蕨青南の4-1-4-1は、ワントップの出来、不出来が試合の結果を左右するフォーメーションかな、と思う。ひと昔前のチェコ代表を思い出させる布陣である。なつかしい。
二列目の4が鍵となり、下がって守備ブロックを形成しつつ、カウンターという戦術を採用していたわけだが、1トップの白鳥が2回あった得点機を決めきれず。。試合は難しい展開に。
さて久乃木ですが、4-1-2-3ということで、ポゼッションを指向しているチームらしい前がかりな布陣です。せっかくなのでフォワードを比較してみたいのですが、久乃木のセンターフォワードは、梶みずき。U-15では主将をつとめるほどの実力者です。
この梶の役割というのが実に幅広い。ストライカーとして点を決める動きはもちろん、ポストプレイでしっかりボールを納め、起点となる必要があります。
この梶に絡んでいくのがオフェンシブハーフである井藤です。井藤もまた、パス、ドリブル、シュートそれぞれの技術に優れ、攻撃において危険な存在であることを求められているのです。
フォーメーションがわかると、キャラクターがどのような役割を担っているのか、次はどのように動くのか想像する楽しみが出てきますね。補強のポイントも見えてくるので、興味がつきません。
キャラクター紹介
さよならフットボールでおなじみの鮫島監督を追加しました。
蕨青南高校
ワラビーズという愛称で呼ばれる。位置づけ的には弱小校。
- 主人公:周防すみれ(1年)
ポジション:ウイング(たぶん左)
曽志崎の中学に悉く破れ、中学時代は万年予選敗退の憂き目にあっていた。俊敏性に優れ、スピードに乗った縦に抜けるドリブル突破と体勢を崩されても即座に立て直すフィジカルが魅力。 - 曽志崎 緑(1年)
ポジション:ボランチ
中学時代、全国3位のプレイヤー。中盤を牽引するハードワークと長短のパスでリズムを作れる実力者。同県強豪校(浦和邦成)から誘われていたが、周防とのサッカーを選び、蕨青南に進学した。 - 恩田 希(1年)※さよならフットボールの主人公
ポジション:トップ下(たぶん二列目より上ならどこでもいけるかも?)
中学では女子サッカー部がなかったため、男子サッカー部に所属していた。公式戦の出場記録もないため、女子サッカー界では無名の存在。男子相手にも引けを取らない足下の技術を持つ。ドリブル・シュートともに高水準の能力を保持するが、一番の持ち味は玉離れの良さとバリエーション豊富なパスである。周りを活かし、自分も活きるプレースタイルでチームの勝利をめざす。周防、曽志崎とは高校で出会った。 - 主将:田勢 恵梨子(2年)
蕨青南の中心選手。3年生の離脱によって主将に。派手さはないが攻守ともにバランスが良いプレーが持ち味。 - コーチ:能見奈緒子
17歳でA代表入り。アジア最優秀選手にも選出され、所属クラブではブンデスリーガ優勝も経験するなど、引退するまでの15年間、日本サッカー界を牽引した存在。第1話の時点で田勢の口から名前がでていた。
久乃木学園高校
春・夏連覇の強豪。高校女子サッカー日本一のチーム。そのまま日本代表ユースチームが出来上がってしまうほどの選手層の厚みがある。
- 梶 みずき(2年)
U-15では主将を務める。U-17代表選手。曽志崎とは顔馴染み。ポジションは多分トップ。 - 佃 真央(1年)
U-17サイドバック。周防とマッチアップしているので右かと。十分な助走をとって走り込むキックは、まさにあのブラジルの名サイドバックのよう。第2話の見せ場は佃にあり! - 井藤 春名(1年)
1・2年のチームでは10番をつける。中盤の選手であることに間違いはないが、結構低めの位置にいる描写が多く、はっきりとしたポジションは不明。佃とのコンビも光る。
本領を発揮した井藤はすごかった!恩田も賞賛する圧巻のテクニックをぜひともご覧ください。
藤第一中学
恩田と佐和の母校です。
- サッカー部監督:鮫島 幸造
恩田の才能を認め、惚れ込みながらも女子であることを理由に公式戦への起用を避け続けてきた。恩田が無理やり出場した公式戦での活躍を見て、自らの考えを改めた。
さよフトでは、(最後の最後は違ったけれど)眼の上のたんこぶ鮫島監督の登場でした。
第1巻の発売日は、8月17日(水)
『さよなら私のクラマー』第1巻の発売日は、8月17日(水)です。君嘘短編集『coda』も同時発売ですので、これは買うっきゃないですね。
まとめ
多くを語りたくないけれど、本当は語りたい、そんな大興奮の第3話でした。繰り返しになりますが、「さよならフットボール」から読んでる人は、もう涙腺崩壊してもおかしくないような、待ちに待ったシーンが描かれていますので、もう必読ですよ!
それでは、第4話の記事でまたお会いしましょう。
もし、まだ第1話を読んでいないという方はこちらからどうぞ。あらすじや登場人物についてまとめています。
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次月まで待ちきれないよ、という方には「さよならフットボール」をおすすめしたいと思います。
さよなら私のクラマーの載っている月マガはこちらからどうぞ。Kindleならすぐ読めますよ。※Kindle版には、川原正敏さんの『龍帥の翼 史記・留侯世家異伝』は掲載されておりませんのでその点だけご注意ください。